分島 花音

(わけしま かのん)
チェロ・ヴォーカリスト

幼少よりチェロを始め学生時代には、弦楽アンサンブルでの活動や古楽コンサートにバロック・チェロで参加、チェリストとして、多数のリサイタルやジョイント・コンサートを経験する。
また、チェリストとの活動と同時に音楽創作も始め、ヴォーカリストとしてステージに立つ経験もする。自己表現の可能性を求めるべくソニーミュージック主催のオーディションに応募。
Mana(MALICE MIZER〜現Moi dix Mois)プロデュースの元、2008年5月、シングル「still doll」でメジャーデビュー。
2009年2月、1stアルバム「侵食ドルチェ」リリース。同作のヨーロッパ先行発売に伴い、フランス最大のメディアチェーン、FNACインストアライブ実施。同店の史上最多の動員記録を残す。
同年7月、パリJAPAN EXPO。同月、アメリカ最大のアニメコンベンション『OTAKON』出演。
それぞれの動員記録を更新する。全米リリース決定に伴い、アメリカ西海岸プロモーションライブツアーを敢行。
8月、渋谷O-WESTにて行われた自身初となるワンマンライブ『絵画的音楽会』を行う。(チケット完売)
10月、VAMPS主催の「HELLWEEN LIVE 2009」に出演する。
2010年、2ndアルバム「少女仕掛けのリブレット」を今夏リリース予定。
「ソリータ」(仏シンガー・クレモンティーヌ・娘)が同タイトル曲に参加決定。
アルバムリリース、東名阪ツアーが決定する。
イラスト創作活動も積極的に行いオフィシャルウェブにてダイアリーを公開中。

●星座・・・蟹座
●血液型・・・A型
●演奏楽器・・・チェロ
●音楽を始めたきっかけ・・・3歳の頃に両親の薦めによりチェロを始める
●生まれて初めて演奏した曲・・・キラキラ星変奏曲
●思い出の1曲・・・ハイドンチェロ協奏曲
●好きなチェリスト・・・ジャクリーヌ・デュ・プレ
●好きなミュージシャン・・・エミリー・シモン、リリィ・シュシュ、小島麻由美
●好きな作曲家・・・クロード・ドビュッシー、エリック・サティ
●好きな画家・・・アルフォンス・ミュシャ
●好きな色・・・赤色全般
●好きな作家・・・長野まゆみ、谷山浩子
●趣味・特技・・・絵を描くこと

〜The Debut Story of Kanon Wakeshima × Mana〜

歌うこと、チェロを弾くこと、可愛いものを集めること、絵を描くこと。それから、素敵な服に、お菓子も大好き。ここにいるのは、そんな19歳の女の子だ。彼女の名前は、分島花音(わけしまかのん)。

「両親がとても音楽好きだったので、花音には生まれる前から音楽をやらせようと思ってたみたいです。それで、名前も音楽にちなんだカノン=花音ってつけてくれました」

そうした御両親の勧めもあり、3歳からチェロを始めたという彼女は、成長と共により深く音楽の世界へと傾倒していった。思春期に入ると、クラシック以外のポピュラーミュージックにも興味を持つように。そこで彼女が出会ったのが、歌を歌うことだ。程なく、彼女は作詞作曲にも取り組み出し、さらには“チェロを弾きながら歌う”という、斬新な独自様式を編み出すに至る。

そして、そんな分島花音という希有な存在に対して、このたび強い興味を持ったのが何と“あの”Mana。究極のアート集団と呼ばれたMALICE MIZERをリーダーとして率いていたばかりか、現在はゴシックロックプロジェクト・Moi dix Moisで、日本のみならず欧州を筆頭に海外でも熱い支持を受けている彼が、初めて女性アーティストのプロデュースを手掛けることを表明したのである。

「チェロを弾きながら歌っているその姿を見て、直感的に「これは…!」って思いましたね。僕はクラシックも音楽として非常に好きだったりするので、歌ってるだけじゃなく、チェロを弾いてるっていうところに、新しい未来を感じたんです」

そもそも、このManaという人は音楽的才能と並んで、洗練された審美眼を持った人物でもあり、近年は音楽活動の域を超え、服飾ブランドMoi-même-moitiéも主宰しているという背景がある。いわゆる世間でゴスロリと呼ばれているファションの概念を、言葉で“ゴシック&ロリータ”として世に提示し、いちはやく具現化してみせたのが他ならぬManaだったのだ。その後、このゴスロリ・ムーヴメントが、今や世界共通言語である「VISUAL-KEI」という音楽スタイルとあいまって、日本発のサブカルチャーとして広く浸透したことは言うまでもない。同時に、そのいずれもにおいてオーソリティであるManaが各方面で絶対的カリスマ視されていることも、揺るがぬ事実と言える。

そんな、鬼才・Manaが分島花音に対して感じた可能性。それは、彼女が幼少からの英才教育で培われた絶対音感を持っていることや、唯一無比なチェロ+歌というスタイルをとっていることだけに留まらず、実に多岐に渡るものだったらしい。

「音楽に関すること以外でも、ピンと来ることはありましたよ。まず、絵を描くことが好きだっていう点。僕も絵は凄く好きだし、実際に描いたものをみせてもらっても、これがけっこう上手い。あとは、彼女のキャラクターも面白いと思いました。まだ10代のわりに、妙に落ち着いてるとこがある反面、している指輪なんかを見ると,そこにクッキーとか、お菓子の飾りがついてたりとかするんですよね(笑)。大人びた雰囲気とは逆に、まだまだ少女らしさを感じさせる部分もあって、その両方を持っているところ。ここが、“彼女らしさ”だと感じさせられました」

こうしてManaが感じた、分島花音に対しての未知なる予感と、幾つかのイメージたち。それはやがて、今回のデビューシングル『still doll』の存在へと繋がっていった。なお、この曲は4月7日よりTX系TVアニメ『ヴァンパイア騎士』エンディングテーマとしても、絶賛オンエア中だ。

幻想的なワルツの調べ。高雅なチェロの旋律(むろん、分島花音自身が弾いている)。クラシカルな雰囲気の中にも、絶妙に織り込まれたエレクトロニカ的ニューウェーヴのニュアンス。この何とも不可思議な音像の上で響く分島花音の歌声は、上質なシフォンケーキの如き柔らかさと、うっとりするような甘さを含みながら、きっとあなたの耳元でも優美に広がることだろう。

「Mana様から曲を頂いた時、聴いていてお城の中にでも迷い込んだような…そんな感じがしました」

この『still doll』において、作詞も担当した彼女はこの曲について、こう表現する。よりサウンドを引き立て、どこかストーリー性を感じさせる部分と、心理描写が複雑に交錯した詞は、分島花音の繊細な感性が反映された仕上がりとなっていると言っていい。

「彼女は僕とは違ったタイプの詞を書きますよね。カップリングの方の「黒い鳥籠」は、また一味違う雰囲気の詞になっていたりするし、それに合わせて歌声も全く違う出し方をしてるんですよ。少女性と大人びた部分。その両方を持つ彼女の個性が、このデビューシングルからは感じられるでしょうね」

来たる5月28日。まさにメイフラワーの季節に、Manaの見出した分島花音という名の蕾は、花開こうとしている。そこで咲く花がいかに可憐で、美しいものであるか。その様は、是非ともあなた自身の感覚で確かめてみて欲しい。

writer : 杉江 由紀